アライナーを用いた矯正治療について昨今、日本におきましても、カスタムメイドの透明なマウスピース型矯正装置(以下アライナー)の使用が増加しております。
しかし、このようなアライナー矯正治療に関する臨床的研究は少なく、そのメカニズムが科学的に高いレベルで明らかにされるには至っておりません。
アライナー矯正治療に対する社会の期待は大きいものの、一部では術者と患者のトラブルも発生しています。

厚生労働省は海外製のアライナー矯正装置は、歯科技工士法上の矯正装置にも、薬事法上の医療機器にも該当せず診療にあたっては、「歯科医師が患者への十分な情報提供を行った上で患者の理解と同意を得ることを遵守するとともに、歯科医師の全面的な責任の下で使用するもの」としております。

使用の適否の判断や不測の事態への対処、治療結果は、術者たる歯科医師の責任となりますが、
その為にはアライナー矯正治療に関する高度な専門的技能(診断能力、経験)を術者が有していることが不可欠です。

しかしアライナー矯正に関する専門的教育は、昨今の日本ではほとんど行われておらず、それら専門的技能を有しているかの認定機関も存在しません。

※現状、日本にある認定医の資格を発行する学会(日本矯正歯科学会などの)、認定医・専門医・指導医資格試験にはアライナー矯正治療に関する専門的技能は一切含まれておりません。

本学会は、アライナーを使用するにあたり、安全で良質なアライナー矯正治療を患者に提供するために、

1) 現時点で適正と考えられる適応と術式、その取り扱いを啓蒙すること。
2) 術者がアライナー矯正に関する専門的技能を有しているかを検定し認定すること。
3) 治療の安全性と治療成績の向上を図ること
4) 術者と患者の相互理解に役立てること

を目的としております。

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